善き光に導かれて ダライ・ラマ法王14世来日 長野市の講演会に7000人
ユーモアを交えながら講演するダライ・ラマ法王14世=6月20日、長野市
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王十四世が六月十八日に来日、二十八日まで滞在して、長野市の善光寺で法要を行ったのをはじめ同市や金沢市、横浜市などで講演した。今回は善光寺の招きに応じたもので、同寺は二〇〇八年四月、北京五輪聖火リレーが同市で開かれた際、中国政府によるチベットへの人権弾圧を理由に、リレーの出発地となるのを辞退している。会見で法王は「訪問に政治的意味はない」と述べた上で、「チベットに心を寄せてくれたことに感謝したい」などと語った。
二十日、長野市の講演会場は長野五輪のアイスホッケー会場ビッグ・ハット。冒頭、善光寺の僧たちが般若心経を唱えたのを受け、法王はそこにある五蘊(ごうん)の話から、約七千人の聴衆に向け次のように語り始めた。 仏教では、私たちの体と心の構成要素である五蘊以外に自我は存在しないと教えている。自我は五蘊に依存した名義上の存在にすぎないが、私たちは我執により自我が実在すると思い込んでいる。それが過剰なプライドや傲慢、嫉妬心などの煩悩を生み、間違いを犯す。その結果、苦しみを味わうという悪循環がある。自我は幻のような存在に過ぎないのに、怒りが高まると、心の中で私という観念が強くなってしまう。 私たちの心の本質は光り輝く美しいもので、無我の知恵をはぐくみ、間違った考えを直すことで、我執を取り去り、幸福な境地に至ることができる。そうなると、同じように煩悩に苦しんでいる存在に慈悲の心を持つようになれる。 善き光とは本性的な光明の心であり、それを高めることによって私たちは幸せになれる。人間は社会生活を営んでいるので、信頼に基づいたよき人間関係が大切で、そのためには心を開き正直に相手に接しなければならない。私たちの人生は、生まれた瞬間から母親の愛情に支えられている。十分な愛情を受けて育った人は自分に自信を持ち、他者の幸せを心から願えるような人に成長する。 人間が持つ知性という優れた機能を生かすには、心が平和でないといけない。怒りや欲望、執着で心が乱れていると、物事を客観的に見ることができず、非現実的な判断をしがちだ。私の友人の八十四歳になる米国の科学者は、怒りを持っていると対象が否定的に見えてくるが、その90%は・・・・
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ビジネス街に王朝絵巻 山王まつり・神幸祭で賑わう 日枝神社
神幸祭で丸の内ビル群をバックに皇居へ向かう神輿=6月11日
江戸時代には京都の祇園・大坂の天満まつりと共に天下の三大祭りの一つと称された東京・日枝神社(千代田区)の山王まつりが、六月七日から十七日までの日程で開催された。江戸城内に入御した御神輿を、三代将軍家光以来、歴代の将軍が上覧拝礼する「天下祭り」で、江戸三大祭りの筆頭として盛大を極めた。 十一日には皇居への参賀・神符献上と町内巡行を行う神幸祭(しんこうさい)が営まれ、狩衣、白丁などの装束に威儀を正した氏子五百人の行列が、永田町の官庁街や銀座・丸の内などのビジネス街を練り歩いた。神幸祭は山王まつり最大の盛儀で、優雅な格調高い御列が都心に華麗な王朝絵巻を繰り広げるもの。神威輝く御鳳輦二基・宮神輿一基・山車三基が、王朝装束に威儀を正した総代役員や氏子青年に供奉されて氏子区域を巡行し、御列は三百メートルにも及ぶ。 徳川時代には将軍家の氏神、明治維新後は皇居の守り神として敬われてきた日枝神社だが、この地域が首都・東京の中枢として発達するに伴い、住民は減少。祭りの担い手がいなくなり、存続に苦労するような時期もあった。 しかし近年、歴史ある信仰や伝統文化が顧みられる中、氏子らの熱意によって現在のルートが実現。靖国通りや内堀通りなど都心の大通りを使い、四谷から日本橋まで渡御して永田町まで戻ることができるようになった。 錦旗、御幣を担ぐお猿さまの山車などを擁した一行は、朝八時に境内を出発。四谷方面に向かい、昼前に宮西惟道宮司の人力車が国会議事堂前を通過した。その後、皇居坂下門で神事を行い、同時に神官三人が入城して神符を奉献した。 この日は強い日差しの照りつける夏日となったが、皇居での神事は・・・
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<2面>
- プロテスタント8000万人が一つに
「世界共同体」は平等重視
- 日印の病院が医療提携
アーユルヴェーダ医学を普及
<3面>
タシ・ツェリン氏囲みシンポ 長野聖火リレーの衝撃 チベット百人委員会
- 明智光秀公の顕彰法要
坂本城主時代からの菩提寺 大津・西教寺
<4面>
- 「和」で読み解く日本倫理思想史
『これから和 賢哲に学べ』を出版 日本精神文化研究所所長 武藤信夫氏に聞く 日本は和の文化を世界に発信せよ
<5面>
第110回曹洞宗通常宗議会 系別同数単記制変更案は否決
- 神道文化会が公開講演会
近代日本の雅楽と神道
<6面>
- 室舘勲氏迎え講演会
人間力溢れる青年教育 神道時事問題研
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