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社説
  平成23年6月20日号
   

第12回神社本庁伝統文化セミナー
先人の叡智を指針に復興を
天災と共に歩んできた日本人

左から、茂木貞純本庁教学委員と田中恆清神社本庁総長、岡田莊司國學院大學教授

 

 

 

大震災による神社の被害は一都十五県に及び二百二十八社が全半壊し、三千三百八十社が何らかの被災を受けた。東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難勧告が出されている二十キロ圏内には二百四十三社がある。
 被災地を回った田中総長は「大自然は私たちの生活をいつくしみながら、時には想像をはるかに超える試練を与えるものだ」との感想で始め、次のように語った。
 日本人が「自然(しぜん)」という言葉を使いだしたのは二百年前からで、それまでは「じねん」と言っていた。自ずから成るという意味で、人間と自然を区別していなかった。時に試練を与える自然をうらむことなく、共に生きてきた。
 岩手県大槌町にある小鎚神社には多くの被災者が身を寄せていた。神職の「大震災の夜は満天の星が瓦礫の山になった被災地を照らし、海は何事なかったかのように静まり返っていた。こんな状況にあっても大自然は私たちを見守っているのを感じた」との言葉が胸に突き刺さった。それが神道の自然観で、被災者はその瞬間、神も仏もあるものかと思ったであろうが、その次には人間のおごりを思い、わが身を反省したのではないか。
 人々の心を集約し、高めてきた神社は地域社会の精神的中核であるので、氏子地域の再生を含め復興に全力を投入していきたい。復興の中心に置くべきは祭祀・祭礼で、地域の伝統文化を守ることが鍵になる。
 天皇皇后両陛下はいち早く被災地に入られ、被災者の目線でお言葉を述べられている。これは、大災害に際した歴代天皇の伝統を引き継ぐものだ。
 次いで岡田教授は『三代天皇実録』に、貞観十一年(八六九)十二月に三陸から茨城にかけて起きた大地震で約千人が亡くなったと記されていることなどを紹介し、次のように語った。
 今の信仰は、神が守ってくれていてありがたいというものだが、古代から中世にかけては、加えて畏怖感があった。自然災害は神の怒り・祟りと考えられていて、守護とともに祟りは神の重要な属性であった。
 古事記や日本書紀にも自然災害は記されている。スサノオが天上のアマテラスのところへ駆け上るとき、山川がどよめき国土が震えたとあるのは大震災で、ヤマタノオロチは斐伊川の氾濫であろう。
 災害に対応して国家は、奉幣・大祓・読経・賜給・恩赦・減税・施薬を行った。六九八年から一〇九六年までの災害記事で、奉幣・祭祀が四十五例、仏事・読経が四十九例記されている。
 神と自然と人間は相互に結びつき、人間は自然と神に制御されていたが、近代化の中で志向された純粋神道では、神への畏怖感が薄れた。今は災害を組み込んだ神道観の見直しが求められる。
 対談では、茂木氏が最初に、地震を抑える神として信仰されてきた鹿島神宮について、安政二年(一八五五)の大地震の時、要石で地震を起こす大鯰を押さえ込む絵が江戸市中で多く売られたことを紹介した。また、仙台市若林区の浪分神社では天保六年
・・・

 

以降は新聞をご覧ください

 

 

一隅を照らす運動神奈川横浜大会
国難の時、忘己利他に撤せよ
天台宗神奈川教区


法楽を勤める溝江光運大会会長(伝教・天台両大師肖像画右)と職衆=6月17日、ロイヤルホールヨコハマ


 

東日本大震災発生から「百カ日」前の六月十七日、一隅を照らす運動神奈川教区本部、天台宗神奈川教区主催、平成二十三年一隅を照らす運動神奈川横浜大会(大会会長、溝江光運・川崎多摩妙樂寺住職)がロイヤルホールヨコハマで県下、山梨県の僧侶、檀信徒五百人が集い盛大に挙行された。天台宗ではこの度の被災地救援に一億七千万円の義捐金を集めた。この浄財は一般被災者、天台宗被災寺院、被災檀信徒のために使用される。半田孝淳総本山延暦寺座主は五月十一日、宮城県気仙沼市の観音寺で百人の僧侶、四百人の檀信徒と共に廻向をし、菅原茂同市長も参列した。
 菊の花で荘厳された伝教大師、天台大師両大師の肖像が掲げられた会場の舞台中央。溝江会長と職衆による法楽で式典は始まる。法樂で三礼、開経偈、般若心經が読誦・奉唱された。福聚教会婦人による詠舞が両大師に奉納され大会会長が挨拶。
 溝江会長は「『一隅を照らす』は最澄の言葉。この一隅を照らす運動はすでに四十年の歴史をもつ。一隅を照らす運動の根本理念は『忘己利他』である。東日本大震災で大きなリスクを背負った日本となった。この時こそ己を忘れて他を利するという気持ちをこの大会で感じてもらいたい。私も半田座主とともに気仙沼に行った。ガレキの下に不明者がいるかと思うと涙を禁じえない。被災者を精神的、物質的に支えていきたい」と挨拶した。
 来賓の福惠善高同運動総本部本部長は「震災前までは物の豊かさ便利さを謳歌してきたが、震災はいろいろなことを考えさせらる時間となった。被災地が一日も早く復興されるよう祈る。今こそ『忘己利他』を実践する時で、助け合って一隅を照らす心が加味されれば日本社会は盤石なものになる。一隅を照らす運動はこれからの社会に重要な役割を担っていくと確信する」と述べた。
 第二部は「年中行事と仏さま」の講題で浅草寺の塩入亮乗法善院住職が講演をした。
 「お盆はどうして七月と八月の二度、十三日から十五にまであるの。お盆にナゼ施餓鬼がついてきたの。お盆にどうして盆踊りが一体となっているの。盆踊りにナゼ櫓(やぐら)があるの。ナゼ団扇で踊るの……これらのナゼは日本人の霊魂観が分からなければ理解できない」と前置きして次のように語った
 耳なし芳市ら琵琶法師が語った源氏物語、平家物語、太平記などは、「怨霊やもののけをどう鎮めるか」を問い掛け、読む文学を語る文学へと変えた。そして能や能から面を取った歌舞伎へと・・・

 

<2面>

  • 「アラブの春」が冬に逆戻り?
    エジプトなどイスラム国家化の動き

  • 中国の司教選任が中止
    バチカンの承認得られず

 

<3面>


  • 弘法大師の生誕祝う青葉まつり
    霊場お砂踏みで功徳与る
    高野山東京別院

  • 第3回伝統文化基礎講座
    平田国学を再評価する

<4面>


  • 東大寺、鶴岡八幡宮合同の祈り
    神仏織り成し復興を祈願
    東日本大震災

  • 大般若経転読法要と法話
    「苦は尊い真理」を悟れ
    薬師寺東京別院

<5面>


  • 東大寺で慰霊と復興祈願
    僧侶・神職ら200人が参列
    神仏霊場会

  • 一燈園・すわらじ劇園80周年
    聖フランチェスコを上演

 

<6面>

  • 人・エンジニア 岡村貴句男さん
    道元を科学的に解明
クョスコニョ    [1] 
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