開山聖人750回遠忌報恩大法会 新しい親鸞像の構築を 真宗高田派本山専修寺でシンポ
新しい親鸞像について議論したシンポジウム=4月14日、三重県津市の専修寺
真宗高田派専修寺(三重県津市、常盤井鸞猷第二十四世法主)では開山である親鸞聖人の遷化後七百五十年の御遠忌法要を「聖人のみもとに帰ろう」を基本理念に、四月六日から十六日まで行った。「わが身と一体となって下さる弥陀の大悲を、親鸞さまの直説によって体感させていただきましょう」(常盤井法主)の念願により柱は二つのシンポジウムで、十三日に「仏教福祉を考える」、十四日に「親鸞聖人の御生涯を再考する」をテーマに同寺高田会館ホールで開催された。
後者シンポは、栗原廣海高田短期大学学長をコーディネーターに、真宗各派の親鸞研究の第一人者六人がそれぞれ持論を発表した。 栗原学長は「これまでの親鸞聖人の伝記は、主に実証主義を標榜する歴史学者により、聖人の曾孫である覚如上人の『親鸞伝絵』の記述を中心に、親鸞聖人の『御消息』や聖人の内室恵心尼公が書かれた『恵心尼消息』の記述等、いわゆる『確実な史料』を頼りとして構築されてきた。再考の機運は、この方法論にのっとり、確実な史料をより深く読み再検討することによって新たな親鸞像を構築しようとするものと、この研究方法を根本的に問い直し、検討対象とする史料の幅を広げて、より豊かな親鸞像を描こうとする試みとに分けられる」とし、「聖人と玉日姫との結婚を描き、流罪放免後はすぐに関東に向かわれたのではなく、一旦帰洛されたことを示す高田派伝承の『親鸞聖人正明伝』が果たしてどれほどの資料的価値を持つのかは特に興味深い」と焦点の一つを指摘した。 本願寺派西勝寺の山田雅教住職は、明治以降の学会の親鸞研究は伝承ではなく史上の親鸞像を求め、大正十一年に出た中沢見明の『史上之親鸞』を頂点とし、大正十二年の恵心尼文書の発見により補足されてきたことを説明。史料批判により史実を見極めることの重要性を強調した。良空作の『高田開山親鸞聖人正統伝』『親鸞聖人正明伝』は時代を経た江戸時代の史料なので、安易に使用するのは慎むべきだ、と指摘した。さらに、黒田利雄氏らによる中世仏教の研究成果を踏まえ、近年の親鸞像は清貧で一途な専修念仏者に聖の要素が加わり、「黒衣の聖者」のイメージに変わりつつあると語った。 次に、同朋大学仏教文化研究所顧問で中世仏教が専門の小山正文氏は、・・・
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第62回伊勢神宮式年遷宮奉祝演奏会 交響詩「浄闇の祈り」を初演
観客の拍手に応えられる天皇・皇后両陛下(代表撮影)
伊勢神宮の第六十二回式年遷宮を来年に控え、クラシック音楽で神宮の姿を表現する試みが四月五日、東京都港区のサントリーホールで開かれ、猿谷紀郎氏作曲の交響詩「浄闇(じょうあん)の祈り」をはじめクラシックの名曲が演奏された。 「浄闇の祈り」が演奏される演奏会第二部には、療養中の天皇陛下が皇后陛下とともに行幸啓され、観客は盛んな拍手でお迎えした。両陛下は何度も手を振って観客に応えておられた。 演奏会の初め、神社本庁総長の田中恆清伊勢神宮遷宮広報本部本部長は「交響詩は世界に向けて、遷宮の意義を伝えたいとの強い思いで、作曲を依嘱したもので、言うまでもなく世界初演です」と挨拶した。プログラムには「奉祝曲『浄闇の祈り」を作曲された猿谷紀郎さんは、神宮の神域に幾度か足を運ばれ、初穂を天照大御神にお供えする『神嘗祭』の夜に、曲のイメージを温められました」とある。
円光寺雅彦さんの指揮、読売日本交響楽団の管弦楽で、第一部はワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」やスメタナの交響詩「モルダウ」などが演奏され、モーツァルトの「アレルヤ」、ヨハン・シュトラウスの「春の声」では市原愛さんがソプラノを歌った。 交響詩「浄闇の祈り」は、曲というよりむしろ「音」に近く、五十鈴川の水面に浮かぶ宇治橋や神宮の杜の浄闇を照らす月の輝き、焚かれる火の炎、森を揺らして渡る風、神殿の御門が開かれるときの音などが、幽玄な響きの曲に表現されていた。 アンコールには、藤井フミヤさんの第六十二回式年遷宮のイメージソング「鎮守の里」 ・・・
<2面>
- 受難週から復活祭へ
教皇65ヵ国語で祝いの言葉 バチカン
- 聖公会が進める宗教間対話
責任者サーリブ師が語る エジプト
<3面>
初めての熊野奥駆け行体験記〔下) 地蔵茶屋跡から熊野本宮へ 難行の果てに気づいたこと
<4面>
- 静岡まつりで朝鮮通信使行列
平和外交の時代再現 静岡市
- 第50回ご供茶式とお茶会
平和の祈りコンサート 川崎大師
<5面>
- 日台文化交流・大震災復興支援
台湾へ感謝の声続く 池 袋
- 全国日蓮宗女性教師の会
社会活動部会を新設
<6面>
- 人・浄土宗日新窟住職 吉水大智師
ベトナムに千本の桜を植えたい
- 美術・特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
平治物語絵巻など名品そろう
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