平成26年度国際神道セミナー キリスト教と神道との対話 二つの宗教が探る協調への道筋
 「環境問題と宗教」を論じたパネルディスカッション=11月22日、東京・港区の聖アンデレ教会
NPO法人神道国際学会(栗本慎一郎会長)が主催する平成二十六年度国際神道セミナーが「キリスト教と神道との対話 二つの宗教が探る協調への道筋―過去・現在から未来へむけて―」をテーマに十一月二十二日、東京・港区の聖アンデレ教会で開かれた。栗本会長は「フランシスコ・ザビエルの宣教以来、キリスト教と仏教の対話はかなり行われてきたが、神道とはあまりなかった。それは主に土着宗教から国家神道になった神道の側に問題があるが、その歴史も明らかにしつつ対話を進めたい」と挨拶、セミナーに入った。
最初に問題提起として、ドイツ・マールブルク大学名誉教授のマイケル・パイ氏が「なぜ今、対話が求められるのか」と題し次のように講演した。 「最近、中近東ではイスラムとユダヤ教、キリスト教の間で激しく争っている。宗教が併存するには知り合うことが必要だ。神道は日本人の伝統的な信仰、習俗、儀礼などから成る民族宗教で、普遍宗教であるキリスト教や仏教とはかなり離れている。両者の対話は共通するテーマから入るのがよく、その一つが環境問題で、宗教がどんな価値を発揮すべきか対話になる。もう一つのテーマは人間の内面に向かう祈りで、祈りにおける神や隣人への姿勢の違いや共通点を話し合える」 次に、国際日本文化研究センター教授のジョン・ブリーン氏が「これまでの歴史を振り返って」と題し次のように講演した。 「二〇一四年の正月、ローマ教皇庁諸宗教対話評議会が、グローバル化する世界において神道とキリスト教の対話の必要性を述べた挨拶を神社本庁に寄せたのは歴史的なことだ。 一六〇五年、イエズス会士のハビアンが著した『妙貞問答』は、尼僧の妙秀とキリシタン女性幽貞の問答で神道を批判している。幽貞は日本書紀の創世神話を馬鹿げたものだ、吉田神道の神学は嘘だとし、カトリックの勝利で終わる。 明治時代、ロシア正教のニコライと教派神道の真理教の佐野経彦教祖との問答では、ニコライは記紀の諸説を嘲笑っている。明治政府は神社神道を非宗教としたので、キリスト教との対話は成立せず、神道の非宗教化は問答を防ぐ手立てでもあった。 戦後、神道はキリスト教と対話する条件が整ったが、両者が教団として対話した例は少ない。影を落としているのが靖国問題で、・・・
「お四国遍路と人生」 樫原禅澄善通寺法主が講演 香川県さぬき市

講演する樫原禅澄善通寺法主=11月24日、香川県さぬき市
四国八十八カ所霊場の第八十七番長尾寺と第八十八番大窪寺の間にある、香川県さぬき市長尾町の「前山おへんろ交流サロン」が開館十五周年を迎えたのを記念し十一月二十四日、同サロンで記念式典が行われた。地元に伝わる獅子舞やさぬき市立前山小学校の生徒たちの祝いの歌に続いて、総本山善通寺の樫原禅澄法主が「お四国遍路と人生」と題し、次のように講演した。 菅直人元総理が四国遍路をしたが、池田隼人元総理も三十代で奇病にかかり、母親の友人に勧められて巡っている。昭和三十七年に出た鍵田忠三郎(元奈良市長)の『遍路日記』の序文に、お大師さんに助けられて奇病が治ったと書いている。鍵田も病気持ちだった。池田は「私の考え方の基本はあのときの体験にあるように思う。千百年の昔、弘法大師が歩かれた三百六十二里の道を一歩一歩歩いた人は、天の導きを感じるだろう」とも述べている。高野山の奥之院の一番近い所に池田家の墓があるのも、感謝の表れだろう。 空海は日本人が最もよく知っている僧で、温泉や水を掘り当てた伝説が全国にある。初詣客数第二位の成田山新勝寺には弘法大師が開眼した不動明王があり、三位の川崎大師は真言宗の寺で、四位の伏見稲荷も弘法大師に関係している。知多半島の八十八カ所には禅宗や浄土宗の寺もあり、釈迦像や阿弥陀仏の横に弘法大師の像が祀られていても抵抗を感じない。茨城県では禅宗の寺に大師堂を作ったところ、お参りする人が増えたという。 四国遍路道を世界遺産に登録する運動があるが、もっと市民運動が盛り上がらないといけない。世界遺産になると来る人が増えるので儲かるという人がいて、少し残念な気がした。ポスターでお遍路さんが右手に数珠を、左手に杖を持っていたが、これは持ち手が反対。杖はお大師さんそのものなので、車で回る人も持ってほしい。 お遍路さんが被る菅笠に「迷故三界城 悟故十方空 本來無東西 何處有南北」と書かれているのは、「とらわれてはいけない」「いつでも、どこでも修行」という意味。弥勒菩薩の梵字は、将来、弥勒が現れるという大師の誓いを示している。 納札に「天下泰平」「家内安全」とあるのは大師の気持ちで、個人的なことだけでなく、社会的なことも願いながら行く。徳光和夫アナウンサーは、

獅子舞の披露
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