教育改革タウンミーティング 宗教を通し命の大切さを 中山文科相が強調 静岡市
約340人が参加した教育改革タウンミーティング=6月11日、静岡市
義務教育改革をテーマに、小泉内閣の国民対話「教育改革タウンミーティング」(内閣府主催)が六月十一日、静岡市で行われた。出席したのは、中山成彬文部科学大臣に鳥居泰彦中央教育審議会会長、高倉翔明海大学長。中山文科相が宗教教育の必要性について前向きな発言をし、注目された。
初めに中山文科相が、教育育基本法改正、学力向上、教員の質向上など五つの義務教育改革案について説明。続いて鳥居会長が「学校の教育力低下、規律の低下、地方教育行政の地方分権化、統一試験の廃止と子供中心主義、国家批判教育という戦後の教育課題は、英米はじめ世界共通の課題」とした上で、「戦後現象の徹底的な見直しが必要だ」と述べた。 戦後六十年、日本では自国の文化や伝統を軽視する、歪んだ歴史教育が国に対する誇りをも失わせてきた経緯がある。一時間半にわたる意見交換では、元小学校教諭から「日本が大好きな子供を育てることが大事と考えて、教室で国旗を掲げたり、四月二十九日『みどりの日』の前後に天皇の話をしたりした。本音を言えば『右翼教師』と思われるのではないかと不安だった。堂々と正しく愛国心や国歌・国旗の大切さを教室できちんと教えられるような環境を整えてほしい」という要望が挙がった。 これに対して中山文科相は「正しい歴史教育と国歌・国旗に敬意を表する教育は大事。まず親が日本に生まれたことへの感謝する思いを持つようにならないといけない。戦後教育は日教組の影響が強すぎて、日本人としての誇りを失ってしまった。日本人として自信と誇りを持てるように教育をしなければいけないと述べた。・・・
神道文化会公開講演会 水への感性を研ぎ澄ませ
(左から)女優の葛城奈海さん、野中規正水環境総合研究所主任研究員、本澤雅史皇學館大學助教授=6月25日、東京・渋谷区の神社本庁大講堂
工学と神道の視点から同じテーマを追うシリーズ「自然と神道文化」公開講演会(主催=財団法人神道文化会、会長=矢田部正巳神社本庁総長)が毎年開催されている。本年取り上げられたテーマは水。「水と神道文化」を主題に六月二十五日、神社本庁大講堂で開かれた。講師は野中規正・株式会社水環境総合研究所主任研究員と本澤雅史皇學館大學助教授(宇佐神社禰宜=香川県)の二氏。講演会後、女優の葛城奈海さんの司会で参加者からの質問に答える座談会となった。 「(汚染が進む今)水に対して畏敬の念を取り戻し、自然環境に対する感性を研ぎ澄ますことが必要」(野中氏)、「『神聖かつ恵み多い水』という観念をもつことが大事」(本澤氏)とそれぞれの立場から意見を述べた。参加した学生、主婦、研究者ら約百人は専門家の話にうなずいた。本シリーズは平成十一年の海から始まり山、川、樹、火、土と続き今年の水で七回を迎える。 松山文彦専務理事(東京大神宮宮司)は飲水思源の四字熟語を引用し「源を辿って神に感謝することが大切」と主催者のあいさつをした。野中氏は上下水、双方の水処理技術開発に長年従事している。その知識と経験を踏まえ「水は循環するもの。枯渇する資源ではない。枯渇は人間の生存に適する水不足を言う。水の利用の仕方、保全の仕方で生命を維持もできるし滅ぼす元になりかねない。古代メソポタミア文明は農業用水の使用方法で滅びた。科学技術発展の半面、世界中の水が汚染されてきた。人間が自然を支配できるというおごりが最も身近にある水からしっぺ返しをされている」と指摘、解決のために「水に親しみ、感謝・畏敬の念を持ち、自然環境に対する感性を研ぎ澄ませることが大事」と語り、水は蛇口から出るものという安易な生活習慣に注意を促した。・・・
<2面>
- 現実無視の宗教間対話は失敗
イスラム教学者が警告 WCC国際会議
- 故ハイメ・シン枢機卿の埋葬式
マニラ大聖堂で挙行 フィリピン
<3面>
- 愛・地球博で宗教国際シンポ
宗教は文明の衝突を回避できるか?
- 連載・日本人の霊性(34)
栄西(1)
<4面>
- 愛・地球博で公開シンポ
大阪国際宗教同志会 「水・森・いのち」テーマに
- 子どもたちの現在と未来
世界連邦アジア青年センター アジアの青年たちが活動報告
<5面>
- イスラムの宗教性と現状理解
小田淑子・関西大教授が講演 同志社大学
- 日枝神社例大祭
石原氏「首相は8・15に靖国へ」
<6面>
- 人・米国ユダヤ評議会・ダラス代表幹事 ジョエル・デビッド・ブルックス氏
人種を超え差別撤廃の運動
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