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  平成19年4月20日号社説
 

希望のアジア・ハイウエー

 四月九日放送のNHK「クローズアップ現代――インドシナ ハイウェー」は「平和の果実」を運ぶ国際ハイウエーの成果をリアルに伝えていた。過酷な自然と戦乱で分断されていたインドシナ半島諸国が、国境を越える二つのハイウエーの建設で、経済統合に向け動き始めている。ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「東西回廊」は日本の支援で、中国雲南省からラオスを経由しタイにつながる「南北回廊」は、中国の支援で建設されてきた。沿道には安い労働力と市場を求めて大規模な工業団地が次々と造成され、国境を越えた分業体制も始まっている。影響力拡大を図る日中両国の援助競争を受け、ASEAN(東南アジア諸国連合)が一つの経済圏として生まれ変わろうとしていた。

 アジア・ハイウエー
 インドシナ・ハイウエーはアジア・ハイウエー(AH)の重要な一部を形成するものだ。AHはアジア三十二カ国を横断する全長十四万キロにわたる高速道路で、主に既存の道路網を活用し、現代のシルクロードを目指して計画された。
 始まりは、一九五〇年代半ばから国連を中心に検討されてきた、パン・アメリカン・ハイウエーやヨーロッパ・ハイウエーのような国際道路網をアジアに完成させる構想だ。五九年に国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の前身である国連アジア極東経済委員(ECAFE)総会でAH計画が採択され、一歩を踏み出す。六八年以降はESCAPの下部組織としてAH運輸技術事務局が設置され、関係国の調整と技術面での指導・援助が行われてきた。そのための費用として国連開発計画(UNDP)からの特別資金が供与された。その後、UNDP先進諸国の援助や加盟各国の努力で計画はかなりの進展を見せ、AHネットワークはその延長を伸ばしてきた。
 しかし、国連の財政難や各国で相次いだ戦争や紛争などのため七五年に事務局は閉鎖され、以後、計画はESCAPの運輸通信部に引継がれ、限られた資金と人材の中で細々と継続されていた。
 状況が変わったのは冷戦が終了した八〇年代末。各国は経済発展を最優先させるようになり、社会主義国も市場経済の導入を図り、交流が活発になる。各国が国際貿易や外国資本導入を促進する条件として、国内外の運輸通信インフラの整備をより一層推進する政策を取り始めたことを反映し、AH計画の再活性化が切望されるようになった。中国、ミャンマー、モンゴルも計画に加盟し、ベトナムも積極的に取り組み始める。
 この間、日本もODA(政府開発援助)などで各国の道路を建設、整備してきた。さらに二〇〇三年にはAH加盟国となり、東京から大阪を経由して福岡に至る区間をAH1号線として登録した。AH1号線は東京から福岡、韓国の釜山を経由して北京やバンコク、ニューデリー、イスタンブールなどを経由してヨーロッパに至る長大な国際道路ネットワークで、まさに現代のシルクロードといえよう。さらに日本から北に延び、ベーリング海峡を越えればアメリカ大陸につながる。
 
 メコン川流域開発
 水資源や食糧の危機が警告されている今世紀において、注目されるのが東南アジア最大の国際河川・メコン川だ。中国雲南省に源流を発し、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナムを流れ るメコン川の流水量は日本の全河川の水量に匹敵し、水力発電をはじめ水運や漁業、農業、工業の大きな発展が期待できる。
 従来、国連主導で日本が積極的に支援し、研究してきた流域の開発計画は、九五年にタイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの下流四カ国が協定を結び、メコン川委員会として再出発した。また、九二年にはアジア開発銀行、実質は中国が主導する形で中国雲南省を含む流域六カ国・地域が加盟するメコン川流域開発計画が発足している。
 日本、中国、インドが援助を続ければ、今後インドシナ半島は急速に発展するだろう。三国には、平和の果実をアジア全域に広げるよう協力を期待したい。

クョスコニョ    [1] 
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