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  平成25年4月20日号社説
 

4月28日と、その先の日本

 来る四月二十八日には、初の政府主催となる「主権回復と国際社会復帰を記念する式典」が、天皇、皇后両陛下をお迎えし、憲政記念館で開催される。昭和二十七年の同日、サンフランシスコ講和条約の発効により、先の大戦に敗れた日本が独立を回復し、国際社会に復帰した日である。
 翌二十九日の昭和の日は昭和天皇の誕生日であり、五月三日の憲法記念日は昭和二十二年の同日、日本国憲法が施行された日である。戦後日本の国の在り方を決めた重要な日が続く。

占領下の憲法制定
 日本が連合国の占領下に入ったのは昭和二十年九月二日に、戦艦ミズーリの船上で日本政府代表の重光葵外相が、降伏文書に調印した時からである。
 それから、約六年八カ月の間、日本では占領という戦争状態が続いていたのであり、日本からの輸出品には「Occupied Japan」と記すことが義務付けられていた。
 占領下の日本で絶対的な権力を持っていたのは、マッカーサー将軍を最高司令官とするGHQ(連合国軍総司令部)である。よく知られているように、明治憲法の改正手続きに基づき、国会の議決を経て制定された新憲法も、草案はマッカーサーの意向を受け、GHQ民政局が作ったものである。
 国際法では、占領下において国の基本になる憲法などを制定することは、違法とされている。国民の意思が正確に反映されない状況なので、当然だ。しかし、憲法なしに国づくりはできないので、あくまで暫定的に制定されたのが日本国憲法である。
 同じように、米英仏の統治下にあった西ドイツでは一九四九年に憲法が制定されたが、東西ドイツ統一までの暫定的な意味合いから基本法と呼ばれ、独立回復後は、西ドイツ時代だけでも三十五回改正されている。ところが日本では、今まで一度も改正されていない。
 昭和天皇の事績で忘れてならないのは昭和二十一年一月一日の詔勅、いわゆる「人間宣言」の中に「五箇条の御誓文」を入れたことである。占領下での初の詔勅なので、GHQからは民主主義の根幹を語ることが要請されたのであろう。
 それに対して昭和天皇は、民主主義の伝統は日本にもあり、米国から一方的に学ぶ必要はないとの考えから、明治天皇の「広く会議を興し、万機公論に決すべし」という文言を入れたと思われる。事実、後の記者会見でも昭和天皇は、あの詔書の要点はむしろそこにあったと語っている。
 国のかたちというものは、その国の文化伝統、歴史に基づくものであり、そうでなければ国民の間に根付かない。
 安倍政権下で憲法改正論議が活発になっているが、国の基本的なかたちを決めるのが憲法であり、その意味で最も重要なのは天皇の位置づけである。それはまた、国民の理解と世界からの理解とが一致するものでなければならない。端的に言えば、天皇が日本の元首であることを明記すべきである。
 総理大臣や最高裁長官の任命、法律や条約の公布、国会の召集、外国の大使や公使の接受など、天皇が行う国事行為は、国際的には元首が行うことである。
 憲法では国民統合の象徴とされているが、分かりやすく言うと、国民にとっては「民の父母」である。そうした心のつながりがあるからこそ、東日本大震災の被災地でも高い倫理性が保たれ、天皇、皇后両陛下の慰問に被災者たちは心から励まされたのである。

国民意識の高まりを
 本来なら、日本が主権を回復した時に、国民の意思として憲法を改正すべきだったのだが、占領期の巧みな情報操作もあり、共産主義の影響を受けた政治勢力が強く、国民の声もそこに向かわなかった。
 グローバル時代では、経済的な国境の壁は低くなる一方、政治的には国境の壁を高くする必要に迫られている。尖閣諸島問題や北朝鮮の脅威を見れば、明らかだろう。
 それに対応するには、軍事的、法的措置が図られるべきだが、何より国民的な意識の高まりが不可欠である。四月二十八日が、その一つの起点となることを期待したい。

クョスコニョ    [1] 
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