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  平成25年9月20日号社説
 

2020年の東京と日本

 二〇二〇年に東京でオリンピック・パラリンピックが開かれることになった。東電福島原子力発電所の汚染水問題を抱えながら、東京が大差で招致に成功したのは、猪瀬直樹知事が言うように、チームジャパンとして取り組んだ成果だろう。この興奮と熱気を、七年後を目指した東京づくり、そして日本づくりに生かしていきたいものだ。
 一九六四年の東京五輪は、日本の戦後復興の終わりと、高度経済成長の始まりを告げるイベントでもあった。それに対して二〇二〇年の東京五輪は、成熟した大都市の在り方、そして豊かな自然と伝統文化を残しながら、世界につながる国づくりを示すことが目標になるだろう。

成熟都市での五輪
 二〇二〇年五輪は、晴海に建設される選手村を中心とした半径八キロ圏内に85%の競技会場を配置した、コンパクトな大会になることが大きな特徴だ。臨海部では、東京港に浮かぶごみと残土の埋立地を、募金や都民の参加による植樹によって、緑の森に生まれ変わらせる「海の森」づくりが進んでいるのも時代を象徴している。新設される多くの競技場や選手村は、夢の島公園のように、急成長した東京から出た廃棄物を埋め立てた上に建設されるものである。
 六四年五輪の交通インフラとして大急ぎで建設された首都高速道路の一部は、江戸時代からの伝統的風景である運河を埋め立て、あるいは運河の上に実現された。例えば、東海道の出発点であった日本橋は、今も高速道路の下にある。いわば経済成長のために江戸時代からのまちづくりの一部を壊して、五十年前の五輪は開催されたのである。
 それに対して七年後の五輪は、水の都であった江戸の自然と文化を、高度な機能を備えた世界都市に再生する契機とすべきだろう。猪瀬知事はそのイメージを次のように語っている。
 「例えば成熟がもたらす究極の洗練やホスピタリティー。品格です。実は日本は、すでに一度成熟を経験している。日本が一つの小宇宙だった、江戸の文化文政期です。今我々の持つ繊細なモノを作る技術、微妙さを描く北斎や広重などのアートが生まれた。今の東京でいえばそれは都心の緑の回廊であり、高度の浄化された水道水であり、欧米ではありえないような洗練された公衆トイレであり、秒単位で動く電車網です」(読売新聞二〇一三年二月七日付)
 江戸は家庭の灰の回収業者がいるほどのリサイクル社会で、今の東京は世界トップレベルの低炭素都市を実現している。東京都は「スマートエネルギー都市」を目指していて、具体的には、低炭素・快適性・防災力を同時に実現する都市である。例えば、夏の電力需要を、需要時間帯のシフトや節電で減らすことができれば、新たな発電所を建てる必要がなくなり、消費者の負担も減らせる。二〇二〇年五輪はそんな都市環境を世界の多くの人たちに実感してもらう機会でもある。
 日本のさらなる発展のために有望なのが観光立国だが、まだ年間の外国人観光客は約八百万人で、目標の二千万人にほど遠い。外国人観光客の多くが浅草を訪れるように、彼らは東京に残されている伝統的な文化や風景に興味を持っている。その意味では、日光や鎌倉、京都だけでなく日本の地方には、豊かな伝統文化と自然が残されているので、東京からの観光ルートの設定など観光開発の余地は大きい。

おもてなし
 日本人のホスピタリティーでいえば、滝川クリステルさんがプレゼンテーションで紹介した「おもてなし」の文化は、人口が密集して暮らした江戸で発達した。狭い路地ですれ違う人に会釈を交わす、雨の日には傘をかしげるなどの「江戸しぐさ」が日本人の心性をつくってきた。そうした共同体的な特質を、世界的な祭典であるオリンピックを機に、チームジャパンとして取り戻したいものである。
 とかく経済だけが話題になりがちだが、大事なのはそれを支えている国民一人ひとりの気持ちであり生き方である。今の課題に真面目に前向きに取り組む日本人の姿こそ、世界の人たちに見せるべき第一のものである。

クョスコニョ    [1] 
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