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  平成22年6月20日号社説
 

米づくりの国日本

 梅雨の季節を迎え、全国で田植えが本格化し、各地を巡ると早苗で薄緑に染まった田んぼがすがすがしい。これから日を追うごとに緑色を深め、苗の分げつ(枝分かれ)によって茎が増え、田が一面、緑に覆われていく。日本の美しい風景の一つだ。
 皇居では五月二十日、天皇陛下が生物学研究所横の水田で、自ら籾を蒔いて育てられた苗をお田植えされた。昭和天皇が昭和二年に始められたことで、秋には稲刈りをされ、収穫された稲は伊勢神宮の神嘗祭と宮中神嘉殿での新嘗祭に奉じられる。古来から、日本という国の形を作ってきた米づくりの伝統が、皇室で受け継がれていることに感謝したい。
 
 田植え体験
 各地でも氏子青年会や子供会、学校などの活動として、子供たちの田植え体験が行われている。社説子の地域でも大手デパートが募集した二十人余の親子が参加し、十アールほどの田んぼに苗を植えた。
 今の田植えは普通、田植え機を使うので、手で植えるのは植え残しのところくらい。広い田んぼでは、それもあまり行われない。田植え機が普及する前は、定木(じょうぎ)という木製の田植え器を使い、稲を均等な間隔で植えていた。それは主に女性の仕事で、男性は水田を平均にならし、苗取りをして、それを後ろ向きに進みながら定木を回転させ、苗を植えている女性たちの足元に運ぶのが、子供の仕事だった。
 米づくりの中で田植えだけは一家族の労働力では不可能なので、農家の人たちが共同作業で行っていた。田植えは腰が痛くなるつらい作業だが、女性たちはおしゃべりしながら楽しそうにこなしていた。そんな共同作業が地域の絆を強めていたように思う。
 ところが、田植え機にコンバイン、トラクターなど農機具が普及するにつれ、田植えも家族だけでできるようになり、共同作業の機会が減っていった。農家の自由度が増し、収入も増えたが、半面、農機具代の支払いに追われるようになり、地域から共同体意識が薄れていったのを覚えている。農業を継がない若者たちが農村から都市に移動し、全国的に進んだ都市化と同じような変化が、地方でも起こっていた。
 しかし、定年退職した人が農業を始めて分かるように、生産台数の少ない農機具は車などに比べ値段が高い。それを一戸で揃えるとコスト割れになってしまうので、農事組合法人などの設立で組織化し、大規模化することが求められている。それは、新しい形での共同体の再生と言えよう。社説子の地域でも法人化していたので、田植えイベントを引き受けることが可能だった。
 田植えを終え、おにぎりとうどんを振舞った後、余った苗をプレゼントし、バケツでの育て方を指導した。土を三分の二ほど入れたバケツを用意すれば、マンションのベランダなどでも稲を育てることができる。苗がしっかり根付くと、水干しをして、分げつを促す。やがて穂が出て、白い花が咲き、実をつけていく。こうした稲の成長過程を家族で観察すれば、人々の米離れを防ぐこともできるのではないだろうか。
 国内でしか通用しない高機能の日本の携帯電話は、ガラパゴス化と批判されているが、同じような問題を日本農業も抱えている。狭い耕作地用に開発された農機具は、海外の大規模農場では利用価値がない。しかし、日本と同じような地理的事情のアジアになら、単価を下げれば輸出可能だし、遅れた農業の近代化に役立つ。インドのブッダガヤを訪れたとき、周囲に広がる未整備の農地を見て、そう感じた。
 
 いのち育てる奥深さ
 民主党政権は戸別補償制度を軸に農業の活性化を図ろうとしているが、全国一律の制度では多様な農家にうまく機能するのは難しいだろう。気象や農地の状況、作物などにより農作業の仕方は異なる。それがいのちを育てる農業の奥深さであり、面白さなのだが、経験や技術の差が大きい。
 水田には保水機能もあるなど、環境維持の面からも農業を維持する必要がある。田植え体験やバケツ稲を通して米に親しみを覚え、古来からの営みを継承する人が育って欲しい。

クョスコニョ    [1] 
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