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平成18年11月5日号[天地] |
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小沢一郎民主党代表は著書『小沢主義』で農業支援の「不足払い方式」を提唱している。農水省は大規模経営化を促す政策だが、零細兼業農家の多い日本では農業の衰退につながるからだ。現に、大規模化が難しい中山間地などでは、耕作放棄が目立っている。不足払いでは、市場価格が生産コストを下回る場合、それを国が補填する。もっとも、それがどれだけの予算を要するのか、弱い農業の温存にならないのかの説明まではない▼天地子の住む集落でも最近、農事組合法人が発足した。しかし、各地で設立が進む一方で、解散する法人も多い。わが法人の設立の動機は、大規模化しないと補助金がもらえなくなるからという後ろ向きなもの。そうする以外に農地を守る方法がないということで踏み切った▼法人になると経理が明確になるので、これまで納めていなかった税金も納めざるを得ない。説明会では、財務省の狙いに乗る必要はないとの反論もあった。農協の担当者はWTO(世界貿易機関)から説明し、日本の農業の現状を訴える。田舎に暮らしても、世界を肌身に感じる▼グローバル化は止められないが、その被害をいかに少なくするかで今の政治は動いているようだ。格差社会をめぐる議論もその一つ。与野党の違いは、わずかな程度の差にしか思えない▼法人になると、地主は自分で農地の管理をしないといけない。天地子も、これまでは耕作者に任せっきりだったのが、あぜの草刈りなどに汗を流すことになる。自分が元気なうちはできるだろうが、子供の代にはどうなるか分からない。せめて体力を温存して、この国と地域の行く末を見守りたいものだ。
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