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平成18年11月20日号[天地] |
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十一月十一日から始まったNHKの土曜ドラマ『ウォーカーズ 迷える大人たち』(四回連続)の舞台は四国。二十代から六十代までの九人が、それぞれの事情を抱え四国八十八カ所を巡る。三十代半ばの主人公は、携帯電話メーカーの開発部のエース(江口洋介)で、三週間の夏休みを取り、十五年ぶりに故郷の徳島に帰って来る。実家の寺を継ぐのを断り、断絶状態だった父が、がんで余命半年だと母から知らされる。母は、息子が僧になるのを決め、婚約者(戸田菜穂)を連れて帰ると夫にうそを言う。喜んだ父は、それなら霊場巡りをしろと命じた▼ドラマ第一回の副題は「発心」。始まりの徳島が「発心の道場」だから。以後、高知は「修行」、愛媛は「菩提」、香川は「涅槃」の道場とされる。予告だと、道の険しい高知で、それぞれの問題が明らかになりそうだ。自分をさらにしたいという若者。子供の問題に悩む中年夫婦。話のすれ違う熟年夫婦には離婚の危機がありそう。二百回以上回ったという先達も何か怪しい▼ライターの仕事をやめたくなく、結婚を考え直すと言って東京に帰った婚約者が、十二番目の寺に巡礼姿で現れる。彼女は何を考えたのか。主人公はどうするのか。登場人物に自分の事情を重ね合わせながら、一緒に遍路をしている気分になれる▼全行程千四百キロの遍路は歩き修行。肉体の苦痛を通り抜けると、少しずつ雑念がそぎ落とされ、本当の自分が見えてくる。主人公の恋人役の戸田さんは、最後に結願の大窪寺にたどり着き、一緒に歩いてきた金剛杖を洗ってお返ししたとき、「風呂から上がったときのような爽快感を味わった」と語っていた。今、お遍路さんは年間約十五万人。来年はもっと増えそうだ。
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