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平成19年9月5日号[天地] |
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この夏、金子みすゞの「夕顔」という小さな詩に出会った。「せみもなかない/くれがたに、/ひとつ、ひとつ、/ただひとつ、/キリリ、キリリと/ねじをとく、 /みどりのつぼみ/ただひとつ。/おお、神さまはいま/このなかに。」▼神は細部に宿るというが、それをみすゞは見事に表現している。これは、日本人の感性でもあろう。だから、小さな命を大切にしてきた。大きなことを論じるよりも、小さなことを大事にしたいと思う▼ちなみに、朝顔と夕顔は植物学的には別種。朝顔はひるがお科の一年生のつる草で、夕顔はうり科の一年生つる草。原産地はインド・アフリカで、初夏の夕方、葉の脇に白い花を開き、朝にはしぼむ。果実は直径七十センチほどの長円形になり、それを削ったのがかんぴょう▼わが家の垣根には宿根性アサガオが繁茂している。これはサツマイモ属のつる性多年草で琉球アサガオとも呼ばれ、外国から導入されたもの。六月から九月ころまで青紫の花を咲かせるが、種はできない。茎を伸ばして根を下ろし、越冬して春に芽を出す▼みすゞの詩に出会ったのは、木下牧子さん作曲の「夕顔」を合唱で練習したから。管弦楽の作曲家だが、合唱にもいい曲を書いている。なごやかに歌い始め、「おお、神さまはいま」で頂点を迎え、静かにまとめる。今年の夏の思い出だ。
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