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 平成25年2月20日号[天地] |
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宮城県東松島市で被災し、仮設住宅で暮らす主婦の前谷ヤイ子さんは、支援物資をもらうだけでは胸が晴れないので、「ありがとうを言いに行こうプロジェクト」を立ち上げ、友人の作曲家の協力でミュージカル「とびだせ１００通のありがとう」を東京で上演した。苦労したのは出演する男性の募集で、女性はすぐに百人になって断るくらいだが、男性十八人を集めるのに何度も声掛けしたという。どうしようもない状況に追い込まれると、女性はむしろ明るくなるが、男性は落ち込む人が多いという▼去る一月六日、私の住む町で合併十周年記念の音楽祭に「第九」を合唱したのだが、募集すると女性はすぐに集まったのに、男性がそろわなかった。県や隣町の合唱団に協力を仰ぎ、何とか実現にこぎつけたのだが、地域活動に対する男女の意識格差が印象的だった▼独り暮らしになると、一般的に女性は長生きし、男性は早死にするという。ささやかな抵抗の意味もあって、地域の合唱団に入り、男の料理教室に通い始めた。すると、これが面白い上に健康にもいい。歌のレベルは多数を占める女性の方がはるかに上で、料理も緑のエプロン姿の女性たちに教わっている。男たちよ、老いては女に従えということなのだろうか。
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