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平成18年6月5日号[天地] |
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NHK大河ドラマ「功名が辻」五月二十八日の放送は「開運の馬」。千代が一豊のために、取っておいた化粧料の黄金十枚で名馬を買うという、ドラマ最高の逸話だった。化粧料とは妻の持参金のことで、離縁になると持ち帰る。戦国武将の妻は決して夫唱婦随ではなかった。ちなみに当時の一両は今の価格で約二十五万円。一豊は二百五十万円で名馬を得たことになり、その後の出世からすれば高い買い物ではない▼ドラマでは、不意に十両もの大金を差し出した千代に、一豊は激しく怒る。「そなたはいつも高みに立ってわしを見下ろしておる」と、日頃のうっ憤を爆発させた。金繰りに苦労しているのに、大金を隠していた妻が許せないというのだ。しかし、千代が「妻という役目で乱世をともに戦ってまいりとうございます」と訴え、さらに「私を情のこわい女などと……」と泣かれると、一豊は「わしが悪かった」と、すぐ謝ってしまう。さらには、千代の機嫌をとろうとまでする。どうして夫はいつも自分が悪いと思わされてしまうのか、わが身に重ね合わせて首をひねる男性も多いのでは▼大石静さんの脚本は、夫婦の在り方をテーマに、一豊と千代、信長と濃、光秀と煕子(ひろこ)という戦国武将の夫婦を絡ませている。濃が千代と一豊のやり取りを見て信長との仲を反省する、というのも面白い設定。自らを神仏だとする信長から心が離れ、光秀を「ただ一人心許せる方」と慕う濃。それを遮りながらも光秀は、心の奥で思いを募らせ、反逆の炎を燃え上がらせる。本能寺の変までに至る心理分析としてはありそうな話。良くも悪くも男は女によって運命を変えさせられるということか。
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