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平成19年5月5日号[天地] |
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四月二十一日、飛鳥の里を回った。近鉄飛鳥駅に着いたのは朝の十時。駅前の店で自転車を借り、高松塚古墳へ。壁画館で原寸大の壁画のレプリカを見ると、発見された当時の興奮を思い出した。次に仏教を受け入れた欽明天皇陵へ。隣の吉備姫王墓には猿石と呼ばれる石像が四体ある。韓国でも似たような石像を見たことがあった▼国営飛鳥歴史公園になっている甘樫丘を左に見てしばらく走ると、飛鳥寺に着いた。蘇我馬子により推古天皇四年(五九六)に創建された日本初の寺で、蘇我氏の氏寺。本尊の飛鳥大仏は元は釈迦三尊の中央部。推古天皇十七年(六〇九)の造立で、東大寺の大仏より百五十年も古い。その顔はやや面長で大陸系。百済の仏師・鞍作鳥の作とされ、蘇我氏が渡来系の技師を動員して広大な伽藍の飛鳥寺を建てたことが分かる▼国立飛鳥資料館では発掘された山田寺の東回廊の再現が見事だった。初期の仏教寺院は、インドのヒンズー寺院のように大きな回廊を持ち、人々はそこを巡りながら祈っていたのだろう。庭園には亀石や人面石などの石像が配され、古代飛鳥の風景を偲ばせていた▼岡寺の境内にはシャクナゲが満開で、まるで室生寺のよう。寺の門前町は店が立ち並び、犬養万葉記念館がある。馬子の墓とされる石舞台古墳には、桜が散った後、キクモモがピンクの花を咲かせていた。渡来文化と融合しながら日本の王権が成立していった飛鳥は、春の光に満ちていた。
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